2011.8.27からカウントしています

第59回 みやぎ鳴子温泉郷 全国こけし祭り 授賞こけし

7本への審査員講評は、会場でコピーにて配布されておりましたので、作品の下に追記いたしました。
(敬称略)
また、会場の様子も記事下部に追加掲載いたしましたので、合わせてご覧下さい。

週末の東京でのいくつかの催事は、前の記事、あるいは
こけしを買うサイトの催事案内をご覧下さい。

少々遅くなり、申し訳ありません。
今回の祭りは個人的理由でタイトな時間割の中での撮影。
もしかしたら撮りこぼしがあるかもしれません。
他、おかしな箇所があったら是非コメントでお知らせ下さい。
駆け足で撮影しました写真をご覧下さい。

新山実文部科学大臣賞
新山 学(文部科学大臣賞・全国こけし祭り会長賞)
 髷を結った大振りの頭に、ろくろ模様の細身の胴、その形態と色彩の絶妙のバランスが弥治郎の新山栄五郎の魅力であるが、今回の実の作品はその魅力を余すところなく発揮している。赤と緑の鹿の子絞りの手絡が美しく、豊かな綛(かせ)が長く流れて、可憐なあどけない表情を飾る。しかも面彩は栄五郎の写しではなく実自身の表情としてすでに安定している。
 これは実が、栄五郎のこけしに魅了され、それを心行くまで凝視し、自分の胎内に育んで新たに生み出したこけしのように思える。瑞々しい、心魅かれるこけしである。

20130907受賞こけし16
高橋 武俊(国土交通大臣賞)
 鳴子の高亀は、こけしの老舗、亀三郎、武蔵、武男、そして武俊へとその伝統は着実に継承されている。今回の武俊の出品は、端正で、筋目のはっきりした高亀の良さを十二分に発揮して、清潔感あるこけしとなった。
また、武俊自身も本当の「こけしの良さ」に正面から向き合って製作に取り組んでいるようだ。従来のこけしに厚みが加わって、伸びやかで晴れやかなこけしである。高亀の伝統の中に、確実に武俊の型が完成されつつあるようだ。

20130907受賞こけし13
陣野原 幸紀(林野庁長官賞)
 幸紀の作る佐久間粂松型にはすでに定評があるが、今回の作品は粂松作品とは違った溌剌とした若さがあって、力強いこけしとなった。一方で、粂松の持つ「怪しさ」のようなものは幸紀のこけしにはない。そういう意味では、粂松の型を通して生きる幸紀自身が現れているのかもしれない。この存在感あふれる幸紀のこけしは、現代の多様化した混沌とした世界を、一刀両断にする気合いがある。

20130907受賞こけし09
大沼 秀顕(東北経済産業局長賞)
このこけしは何だろう、今まで見たことものない竹雄型だ。竹雄型というよりこれは本人型ではないかと思えるようなこけしだ。あるいは、竹雄をイメージして秀顕が工夫したのかもしれない。白い胴に菊花が美しく流れ、一筆目のすずやかな表情が、その上で揺れている。花野を少女が歩んでいくような、夢幻的な世界を感じさせてくれる。
こうしたこけしを生み出すというのは伝統の中の創造であり、多くの意欲的な工人たちに勇気をあたえるだろう。

20130907受賞こけし10
柿澤 是隆(東北森林管理局長賞)
なんという完成度の高い「勘治型」であろうか。明治末期に、雛壇のような所に飾られた高橋勘治のこけしは、多くの工人が目標にして挑戦を繰り返した。今回の是隆の勘治型は、長い製作の年月が「復元」という一種の作意をすでに消失させて、自然な自分本人の型とも言えるような安定して落ち着いた作品になっている。この型のこけし製作に費やした時間は、勘治自身よりはるかに長いであろう。この作品に至るには、この年月が必要だったのである。

20130907受賞こけし19
新山 吉紀(審査員奨励賞・NHK仙台放送局長賞)
弥治郎の伝統的な形態、猫彩の各要素を完全に維持しながら、まったく新鮮な瑞々しい作品を生み出した。復元でも創作でもない。弥治郎こけしの芳醇な伝統の森の中を、くぐり抜けて手にした全く新しい果実だ。豊かな髷、絞りの手絡の鮮やかさ、両鬢に向かう赤の飾りのスマートさ、破錠のない形態のバランス、若々しく溌剌とした魅力的なこけしだ。

20130907受賞こけし30
長谷川 優志(審査員奨励賞)
 津軽系の中で大鰐の長谷川辰雄は、自身木地を挽くとともに、多くの工人のために猫彩を行った。そういう意味では大鰐のこけしの多くの猫彩様式は、辰雄によって生み出されたといってもよい。辰雄の孫にあたる優志は、現在34歳、数年前より大鰐のこけしを作るようになった。未だ数々の挑戦課題はあるが、清新の気風あり、今後の飛躍が大いに期待される。精進を続けて、大成して欲しい。

20130907受賞こけし21
岡崎 斉一(宮城県知事賞)

20130907受賞こけし07
桜井 昭寛(青森県知事賞)

20130907受賞こけし23
佐藤 誠孝(岩手県知事賞)

20130907受賞こけし05
阿部 国敏(秋田県知事賞)

20130907受賞こけし25
佐藤 祐介(山形県知事賞)

20130907受賞こけし02
鈴木 明(福島県知事賞)

20130907受賞こけし27
煤孫 盛造(宮城県観光連盟会長賞)

20130907受賞こけし01
阿部 陽子(宮城県商工会連合会長賞)

20130907受賞こけし29
長谷川 健三(宮城県物産振興協会長賞)

20130907受賞こけし15
梅木 直美(河北新報社賞)

20130907受賞こけし17
本間 直子(朝日新聞社賞)

20130907受賞こけし14
渡邉 忠雄(毎日新聞社賞)

20130907受賞こけし18
菅原 修(読売新聞社賞)

20130907受賞こけし12
佐藤 美喜子(経済新聞社賞)

20130907受賞こけし11
平賀 輝幸(東北放送賞)

20130907受賞こけし20
阿部 木の実(仙台放送賞)

20130907受賞こけし08
柿澤 眞里子(宮城テレビ放送賞)

20130907受賞こけし22
笹森 淳一(東日本放送賞)

20130907受賞こけし06
大沼 秀則( Date fm 賞)

20130907受賞こけし24
佐藤 英之(大崎タイムス賞)

20130907受賞こけし04
柿澤 是伸(玉造商工会長賞)

20130907受賞こけし26
新山 学(鳴子温泉郷観光協会長賞)

20130907受賞こけし03
武田 憲好(鳴子温泉観光協会長賞)

20130907受賞こけし28
阿保 六知秀(鳴子温泉物産協会長賞)

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では、会場を見て参りましょう。
20130907鳴子風景01
はりぼてこけしも年々種類が増えているように思います。

20130907鳴子風景02
受賞こけしの前には常に熱心なファンが集っていました。

20130907鳴子風景03
一人挽き轆轤の実演は、すっかりこの方、早坂さんで定着しつつあります。
実際にここで挽いた木地に猫彩をしたこけしも販売していました。

20130907鳴子風景04
穏やかな笑顔でお店番してくれているのは、森谷さんです。

20130907鳴子風景10
森谷さんと一緒にいらした須貝さんは、横で木地挽き実演をしてくださいました。

20130907鳴子風景05
森谷さん須貝さんの横に目を移せば、津軽こけし館の山田さんがなぜか・・・ではなく、ちょっと似ている阿保正文さんが、人気の林檎こけしも連れて実演に来てくれています。

20130907鳴子風景06
正文さんの横で猫彩したこけしに丁寧にロウ引きをしているのは、あでやかな浴衣に身を包んだ阿部木の実さん。繊細で楽しいこけしを連れていらしています。

20130907鳴子風景20
木の実さんの隣で、熱心にうつむいてずっと猫彩をしているのは、顔を上げれば、おお、佐藤康広さんです。小さなこけしや細工物まで、お客さんも興味津々。

20130907鳴子風景07
康広さんの向側は、ぱっと華やかな雰囲気で笑顔のまぶしい梅木直美さんです。愛らしいこけしたちと丁寧な対応で、和やかな雰囲気が漂います。

20130907鳴子風景08
直美さんの横は、おやおや、もうこけしはほとんどなかった長谷川優志さん。見たかったなぁ、こけし。だったらもっと早く行かなきゃいけなかったと反省です。

20130907鳴子風景09
招待工人のご紹介、とりを飾るのは我らの新山真由美さん。いつお会いしても元気で優しいこけし会のお姉さんです。真由美さんと会うだけでご利益がある素敵な姉御です。

20130907鳴子風景11
え〜、これは〜
20130907鳴子風景13
20130907鳴子風景12
可愛い笑顔の高橋義一さんは、会場に和みをくれています。

20130907鳴子風景14
義一さん、明寛さん、しまぬきの社長さん???
ではありませんでした。大沼秀則さんです、失礼しました。

20130907鳴子風景15
トップ賞受賞の新山実さんと奥様、そして弥治郎の新人2人です。

20130907鳴子風景16
森谷さん、秀顕さん、一緒に写真撮ってとはりぼても引っ張りだこ。

20130907鳴子風景17
佐藤正廣さんも、久しぶりにこけし博士ジェニファーさんと再会。
秀顕さんもにっこり。

20130907鳴子風景18
夕方、懇親会の受付が、鳴子観光ホテルで始まりました。

20130907鳴子風景19
宴会、以降はアルコールが入ったため、ここでおしまいです。

来年は誰が実演に来てくれるのでしょう。
何より、鳴子温泉で沢山の工人さん、愛好家のお仲間と会って話をするのは楽しく嬉しい事です。
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テーマ : 伝統工芸
ジャンル : 学問・文化・芸術

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いつも楽しい評をありがとうございます

信州あぷりこっと様
こうして何度か評をいただいて、そのたびに「おお、なるほど」とうなずいています。どうしても自分の好みで選びがちで、またそれは個人のコレクションとして正しいのですが、公平な目での評はなかなかできま
せん。
今回も、そういう観点もあるのだと感じ入りました。
こけしは工人に似ると時々聞いていますが、今回の大沼秀則さんのこけしは本当にご本人に似ているなぁ、と、これまたおかしなことを考えていました。

入賞こけしーず雑感

今回パッと見て♪逢いたかった×3~♪と感じたこけし、岡崎斎一、大沼秀則、平賀輝幸各氏の作。鳴子のお二人のは如何にも「旧きを尋ねて…」という風情のこけしで、何時までも人々に飽きられること無く愛してもらえそうです。熾烈な競争場面?に、このような(一見地味で大人しい)「アタリマエ」のこけしで勝負に出た潔さ、流石です。平賀氏のお河童大寸は、言わずと知れた天江氏所蔵品が「原」。あのインパクトに変に引き摺られたりせず、彼女?の身の丈なりにドカンと立って好い味出してます。一見「柳のか細さ」なれど、よく見ると柳の「しなやかな剛さ」も併せ持つ梅木直美氏の作、笑みに溢れた優しい「村井福太郎型」の阿保六知秀氏の作も好感が持てるこけしです。
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Author:青葉こけし会
こけしを愛する宮城県仙台市拠点の集まり。
「青葉こけし会」です。

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